環境測定サービス 水道水をおいしく、安全に
2009/08/14(金) 本紙朝刊 経1 A版 10頁


■検査キット商品化
 のどが渇き、水を求める夏。蛇口の水を安心して、おいしく飲みたい−。こうした思いに応えようと、水道水の検査キットを商品化する企業が出てきた。「容器に水を入れて送るだけ。有害物質の有無などを専門技術で検査する」(水戸市内の測定会社)。築年数の多いマンションや中古物件の住民、乳幼児の親たちから依頼が増えている。

■中古住宅、乳児の親ら依頼増
 「ホームページで紹介した途端、県内だけでなく、九州や関西など県外からも依頼が舞い込んだ」。飲料水の水質検査キットを商品化した環境測定サービス(水戸市)の黒羽徹社長は話す。
 さまざまな作業環境を測定する同社。専門技術を生かし、新事業「宅水検(たくすいけん)」を7月に始めた。依頼者は送られてきたパッケージの容器に採水後、宅配便で同社に送る。分析後、10日ほどで水質検査証明書が発行される仕組みだ。
 用意した3コースのうち、飲料水安心コースには「家族が多く、ミネラルウォーター代を節約したい」「蛇口から色の付いた水が出た」「中古物件に引っ越した」といった人からの依頼が目立つ。
 赤ちゃん安心コースには、乳幼児の母親や出産を控えた家庭からの依頼が多いという。両コースとも6500円(税込み)。

 浄水場では、高度な技術と厳しいチェックで安全な水がつくられている。日本水道協会によると、水道では、50項目に上る水質基準が定められ、日々供給されている。
 一方でミネラルウォーターの国内消費量は増加。味のほか、中古住宅やマンションのタンク、水道管設備の老朽化などによる水質への漠然とした不安も一因とされる。
 同社では、厚生労働省の水道水質基準に関する省令に基づく検査法で実施する。大腸菌をはじめ、高濃度では乳幼児の発育に影響があるとされる硝酸態窒素・亜硝酸態窒素のほか、味や硬度など13項目を検査。安全面に加え、水の性状も評価する。
 「送られてきた水から大腸菌を検出。『不適』とした例もある」と黒羽社長。井戸水を使う家庭に対しては、特に検査を勧める。

 水質検査は、保健所や分析機関などで実施されてきた。検査キットは、従来どこに依頼したらいいのか分かりにくかった検査を手軽なものにした。近年、自ら判定する検査キットも市販されている。簡便な半面、「素人判断」の側面はぬぐい切れないという。
 黒羽社長は「水が豊かで、浄水技術も高い日本だが、蛇口から出る水を使う側がチェックする時代になった。長年培った技術を、家庭の水の安全・安心に役立てたい」と話す。
 問い合わせは同社フリーダイヤル(0120)965413。

【写真説明】
簡易型の水質検査事業を始めた環境測定サービスの黒羽徹社長=水戸市内